2010 年 64 巻 1 号 p. 362-369
余裕深度処分等の低レベル放射性廃棄物の処分に際して、一般的に30-100年程度としているセメント系材料の耐久性を超える長期の性能評価が必要となる。そこで、室内試験や劣化速度式とともに、長期間経過した実構造物を調査して信頼性の向上を目指している。本調査ではコンクリートの配合が異なる2種類の構造物(RC開水路、PC水路橋)から、常時水中、常時気中、その境界部分にある試料を採取して調査した。2種類の構造物は近傍にあり、ほぼ同様の環境条件に33年間置かれていた。調査の結果、いずれも現場打ちコンクリートにも係わらず、非常にわずかな劣化であり、特に富配合のPC水路橋のコンクリートは、1mm以下の劣化しか生じていなかった。