2010 年 64 巻 1 号 p. 442-449
低熱ポルトランドセメントに分子構造の違う2種類の高性能減水剤とシリカフュームを添加した際の圧縮強度、セメント水和物に与える影響について、XRD/リートベルト法より求めたセメントの水和反応解析、選択溶解法によるシリカフュームの水和反応率、TMS誘導体化法により求めたC-S-Hのケイ酸鎖の重合度の観点から考察した。高性能減水剤によるC-S-Hのケイ酸鎖の重合への影響は認められず、シリカフュームの添加により初期材齢における重合が促進されることが示唆された。本研究から、超高強度コンクリートの配合設計を行う際のシリカフュームの適正添加量をセメント水和反応解析から推定できることを示唆した。