2010 年 64 巻 1 号 p. 464-469
本研究では、原糸カットタイプのポリエチレン繊維を用いた場合と同等以上のスランプおよび曲げ靭性を有するポリエチレン繊維補強コンクリート(PEFRC)の開発を目的に、種々の巻付け糸または樹脂を用いて繊維を集束し、その集束状態の違いがPEFRCのスランプおよび各種力学的特性に及ぼす影響について実験的検討を行った。その結果、熱融着糸により巻付け集束した集束タイプのポリエチレン繊維は、フィラメントに解繊することなくマトリックス中に分散するためPEFRCのコンシステンシー改善に有効であり、また、そのストランド径によっては、原糸カットタイプを用いた場合と同等以上の曲げ靭性を得ることも可能であると考えられた。