抄録
塩化物イオン拡散メカニズムの解明は構造物の耐久設計に重要である。塩化物イオンの拡散過程において、特にC-S-H表面への物理吸着の影響が支配的であるとされているが、C-S-H表面における電気的性質について明らかにされていない。そこで本研究では、C-S-H表面における反応基であるSiOH基の表面錯体反応を考え、SiOH基密度や表面錯体反応の平衡定数の算出を目的とした。算出においては表面錯体モデルを用い、SiOH基の電離やカルシウムの吸着をモデル化し、塩基滴定実験やカルシウム吸着実験の実験結果と照合することにより、Ca/Siの異なる合成C-S-Hの表面電荷密度および平衡定数の算出を行った。その結果、SiOH基密度と平衡定数がC-S-HのCa/Siに依存することが明らかとなった。