抄録
現在の日本の臨床現場において,臨床薬理専門医の認知度は低く,その役割も明瞭ではない。しかしこれは日本に限られた状況ではなく,実際,臨床薬理専門医制度が未確立な国はまだまだ多い。例えば,アメリカの臨床薬理のトレーニングプログラムは未だアメリカ卒後医学教育認定評議会には認可されておらず,また,アメリカ臨床薬理学者資格認定機関は専門医認定機構の協議会のメンバーではない。逆に,カナダやデンマークなどでは既に臨床薬理が専門分野として確立されており,特徴としては,臨床医としての立ち位置が明確であること,そして,プライマリーの専門領域の中でのサブスペシャルティとして認証されていることが挙げられる。海外における現状は,日本において臨床薬理を医療現場における専門領域として確立していく上での参考にすることができると考えられる。