セメント・コンクリート論文集
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コンクリートの物性
鉱物組成を調整したクリンカーを用いた高炉セメントA種の特性
谷田貝 敦二戸 信和宮澤 伸吾坂井 悦郎
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2012 年 66 巻 1 号 p. 338-345

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抄録

高炉セメントの性能改善を目的として、C3S量を59~71%の範囲で調整したクリンカーを用いて高炉セメントA種を試作し、コンクリートの諸特性について普通ポルトランドセメント(OPC)と比較検討した。その結果、C3S量が高いクリンカーを用いた場合、所要のスランプを得るための単位水量は、高炉スラグを混入することにより低減でき、OPCの場合と同等となった。C3S量を65%以上に増加させることにより、高炉セメントA種の初期強度は、特に低温条件下で改善され、高炉セメントA種の圧縮強度および乾燥環境下における収縮特性は、OPCと同等となった。また、C3S量の増加に伴う中性化速度の改善は認められなかった。

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