2013 年 67 巻 1 号 p. 231-236
ポリマーセメントモルタルは、ポリマーフィルムの形成により緻密性に優れ、建物の補修などに使用されている。しかし、施工上十分な養生を行うことが困難な場合も多い。そこで本研究は、温度20℃、相対湿度60%の環境下におけるポリマーセメントモルタルの気体拡散係数へのポリマー量やセメントの水和の影響を明らかにすることを目的に、実験検討を行った。その結果、本研究のポリマー量0~60kg/m3において、ポリマー量が0から20kg/m3まで増加しても気体拡散係数はほとんど変化しないものの、それ以上増加すると比例して減少した。また、材齢初期の湿潤養生期間が長くなるほどセメントの水和は進行し、気体拡散係数は小さくなることが明らかとなった。