2013 年 67 巻 1 号 p. 290-295
廃棄物処理、品質確保およびCO2削減という観点から、クリンカーのC3A量を約13%、C4AF量を約11%まで高めるとともに混合材を10%に増量した高間隙相型混合セメントについて、耐久性を含めたコンクリート物性を調べた。その結果、流動性、乾燥収縮、促進中性化、凍結融解抵抗性および塩分浸透性は、混合材量および間隙相組成の影響を受けなかった。強度は、混合材量を増加した方が材齢に関係なく高くなったが、間隙相組成の影響は小さかった。水和生成物を調べた結果、高間隙相型混合セメントでは、モノカーボネートおよびヘミカーボネートの生成が認められ、強度発現性に寄与していると考えられた。