高炉セメントの性能改善を目的として、C3S量を68%程度で調整したクリンカーを用いて高炉セメントA種を試作し、コンクリートの諸特性について普通ポルトランドセメント(OPC)と比較検討した。その結果、C3S量を68%程度に増加させることにより、高炉セメントA種の初期強度は、特に低温条件下で改善され、高炉セメントA種の圧縮強度および乾燥環境下における収縮特性は、OPCと同等となった。また、C3S量の増加に伴う促進中性化深さはOPCに近く、クリンカー中の遊離石灰の含有による効果が示唆された。高炉スラグの比表面積の増加により圧縮強度がさらに増加した。