コンクリートの強度発現と初期の湿潤養生期間の関係として、1951年に米国でWalter. H. Priceが発表した論文が世界的に用いられ、現在でも多くの文献や教科書に採用されている。本研究では、現在のコンクリートについてPriceの論文と同じ養生条件で強度試験を行った。その結果、Priceの実験結果と同様に、水中養生から気中養生に切り替えると、一旦圧縮強度が増加しピークを迎え、その後緩やかに低下する現象は見受けられた。しかし、材齢180日において絶えず水中養生した場合と強度比較すると、初期の水中養生期間が3日間では80%程度、28日間では100%程度となり、Priceの実験結果より大きい値となった。また、引張強度は初期の水中養生期間を長くしても100%までは届かなかった。