2013 年 67 巻 1 号 p. 46-51
本研究はスラッジ水中に含まれる残存セメント分を有効活用するため、グルコン酸ナトリウムを用いて水和反応を制御したスラッジ水中に残存しているセメント量を迅速に定量評価する方法を確立することを目的とした。伝導型熱量計を用いて24時間における水和発熱量を測定することで、スラッジ水中の残存セメント分を簡便に推定することを可能とした。また、硝酸マグネシウムを用いてグルコン酸ナトリウムにより水和制御されたセメントの水和を再開させることが可能であることを確認した。さらに水和反応速度シミュレーション法を構築し、10時間程度までの水和発熱速度を測定することでスラッジ水中の残存セメント量を推定することを可能とした。