セメント・コンクリート論文集
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セメント硬化体・モルタルの物性
異なる条件で高温炭酸化処理した膨張材を混和したセメント硬化体の物性と空隙構造
樋口 隆行江口 政孝盛岡 実坂井 悦郎
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2014 年 68 巻 1 号 p. 198-204

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抄録
エトリンガイト・石灰複合型膨張材を異なる条件で高温炭酸ガス処理し、セメントに混和して硬化体の物性、空隙構造、水和組織を評価した。高温炭酸化の処理時間が長いほど、膨張のタイミングが遅くなり、特定の処理時間で材齢7日の膨張率が大きくなった。適度な高温炭酸化処理によって膨張材の反応が制御され、セメント中のエーライトが水和して組織形成する前に反応するロス分が減少し、膨張性能が向上すると考察した。高温炭酸化の処理条件によらず、膨張に伴って直径1μm前後の空隙が増加した。高温炭酸化処理した膨張材は、材齢7日時点で処理前の膨張材と同程度反応した。材齢7日を基準とした乾燥収縮や圧縮強さは、高温炭酸化処理の程度によらず同程度であった。
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© 一般社団法人セメント協会
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