セメント・コンクリート論文集
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セメント化学
高エーライト系混合セメントの流動性に及ぼす遊離石灰と混合材の影響
中川 裕太新 大軌平尾 宙坂井 悦郎
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2015 年 69 巻 1 号 p. 10-16

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抄録

本研究では、遊離石灰(f.CaO)量を変化させた高エーライトセメントを用いて混合セメントの流動性や注水直後の初期水和へのf.CaOや混合材の影響について検討した。f.CaO量が増加すると流動性は低下した。これは、主にf.CaOの水和により生成した水酸化カルシウムにより比表面積が増大し、同一添加量において単位面積当たりの分散剤吸着量が減少したためと推察した。混合材を混合することでその希釈効果により流動性が向上し、特にf.CaO量が多い系ではフライアッシュを混合したときに流動性が大きく改善した。また流動性の観点からf.CaO量には上限があり、本研究の範囲では2%程度であった。

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