2016 年 70 巻 1 号 p. 162-168
低熱ポルトランドセメント(LHC)と膨張材(CSA)を併用した高耐久セメント系材料が提案されているが、塩化物イオン固定能が乏しく塩害環境における利用が課題とされていた。本研究ではこの系にCaO・2Al2O3(CA2)を混和することで、塩化物イオン固定化が可能なAFmを生成する配合を見出した。また、表面を炭酸化させたLHC-CA2-CSA系セメント硬化体のカルシウムイオン溶脱抵抗性と人工海水に浸漬した際の塩化物イオン浸透抵抗性が、湿潤養生させた場合より著しく向上することを明らかにした。これは表面における炭酸化による緻密な組織の形成と溶解度の低いCaCO3の生成に起因していると推定した。