本研究は、セメント硬化体の気体の拡散性状に及ぼす乾燥条件の違いについて、水和物と空隙構造の変化に着目し検討を行った。その結果、各湿度で乾燥させた硬化体の酸素の拡散係数と空隙率の関係は、空隙率が小さい場合、水結合材比や材料によらず同一の関係を示すが、空隙率が大きい場合では高炉スラグ微粉末の置換によって異なる傾向を示した。この傾向を調査する目的で、乾燥後のセメント硬化体の水蒸気吸着等温線を取得し、空隙径分布を評価した結果、乾燥によって10nm以上の粗大な空隙の構造が大きく変化した。さらに気体の移動性状に対して、高湿度では粗大な空隙の影響が支配的であり、低湿度では水和物特性の影響が支配的であることが示された。