2017 年 71 巻 1 号 p. 353-360
本研究では、CaO-MgO-SiO2系(Mg系)材料をケイ石微粉末と共にセメントに置換し、オートクレーブ(AC)養生を施した試料について、耐硫酸塩性の評価に直接関わる硬化体中の物質移動性状に着目し、硫酸塩侵入後の二次生成物を含む水和生成物と、空隙構造の変化が物質移動性状に及ぼす影響を総合的に評価し、耐硫酸塩性と関連づけて考察することを目的とした。その結果、耐硫酸塩性の向上は、化学的安定なトバモライトの生成とトバモライトと同等のSi-O結合を有したC-M-S-Hなどの生成に起因するものと考察した。加えて、硫酸塩と硬化体内に残存している未反応Mg系材料およびトバモライト系C-S-Hが反応し、重合度の高いシリカゲルなどの二次水和物の生成により空隙構造が複雑となり、物質移動性状の抑制に繋がったことが考えられた。