2017 年 71 巻 1 号 p. 525-531
亜硝酸リチウムを予め断面修復材に混和して、断面修復を行った場合には、極めて高い中性化抑制効果を示すことが分かっている。しかし、その抑制機構については、亜硝酸の保水性によるものと解釈されているだけで反応機構は明らかにされていない。そこで本研究では、亜硝酸リチウムを混和した供試体と表面に塗布した場合の供試体を作製し、イオン分析等によって中性化抑制機構の検討を行った。この結果、CO2が侵入した範囲においては、Ca2+とNO2-量が減少する一方でLi+量が増加しており、Ca(OH)2が消費されたとしてもLiOHの生成によってpHを保持できると考えられ、亜硝酸リチウムの保水効果によるCO2の侵入抑制ではなく、リチウムの働きによる抑制機構が示唆された。