日本健康教育学会誌
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特別報告
査読をめぐるやりとりのポイント
―よくある疑問・よくある指摘―
神馬 征峰
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キーワード: 査読
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2013 年 21 巻 2 号 p. 171-176

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抄録

背景:論文査読は論文の質を上げるために有効な手段である.査読をめぐるやり取りのポイントをあらかじめ知ることによって,投稿者は投稿原稿の小さなミスを避けることができる.本稿では本誌への投稿者のために,査読をめぐる主要な疑問や指摘を示すことを目的とする.
内容:タイトルとキーワードは,自分の論文を他の研究者に読んでもらうための入り口である.投稿者は読者の目をひきつけるような魅力的なタイトルをつけ,自分の論文が共通のキーワード検索によって見つかりやすくなるように出来る限りMeSHキーワードを使用すべきである.和文抄録に関しては執筆要領にある小見出しをつけ,方法には研究デザインを示すこと,結果にはできるだけ主要データを示すこと,そして最後に結論ではその内容が引用されることを意識して記載することが重要である.また英文抄録は文法の修正だけでなく読みやすさにも気をつけて仕上げるべきである.最後に本文に関しては,諸言では総論から各論へ,考察では各論から総論へというストーリー展開をするとよい.また方法は専門家に読まれることを意識すること,結果に関しては図表の数を増やしすぎないようにし,結論につながるデータを明快に示すべきである.
結論:基本的なミスを事前に防ぐことによって,論文の本質に関わる査読が可能になる.そのような査読をしてもらえるように,ぜひ基本的なルールをマスターし,明快で説得力のある論文作成にとりかかっていただきたい.

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© 2013 日本健康教育学会
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