セメント・コンクリート論文集
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セメント化学
高炉スラグ高含有セメントの水和組織
篠部 寛二戸 信和相川 豊坂井 悦郎
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2017 年 71 巻 1 号 p. 68-73

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抄録

高炉スラグ高含有セメントの水和組織について、亜硝酸カルシウム添加の影響や高炉スラグ水和物およびC-S-Hゲルの組成に関する検討を行った。亜硝酸カルシウムの添加によって高炉スラグの反応率が向上し、水和生成物としてAFm(NO2)の生成が確認された。また、高炉スラグ高含有セメント中には多量の未水和高炉スラグが残存しており、その周囲に内部水和物層および外部水和物層が観察された。その厚さは粒径によらずほぼ一定であり、材齢28日において、それぞれ数百nm程度であった。主要な水和生成物であるC-S-Hゲルの材齢28日におけるCa/Si比は1.34、Al/Si比は0.16であり、Ca/Si比については亜硝酸カルシウムの添加によって1.5程度に増加することが確認された。

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