2017 年 71 巻 1 号 p. 93-100
セメント硬化体中の塩化物イオンの固定化量を予測すべく、支配的であるとされるC-(A)-S-H表面のSiOH基への物理吸着に関する研究が行われてきている。しかしながらCa/(Si+Al)比の異なるC-(A)-S-Hへの物理吸着に至るまでを再現したモデルは存在しない。これはCa/(Si+Al)比の変化に伴う構造及びSiOH基の変化についての研究が未だ不十分であり、特に原子の結合状態を踏まえた構造推定について未解明な部分が多いためである。そこで本研究では、Ca/(Si+Al)比を変化させたC-A-S-Hを合成し、29Si MAS-NMR及び27Al MAS-NMRを用いることでC-A-S-Hの詳細な構造検討を行った。これにより27Al MAS-NMRスペクトルにおける2種類の未知のピークを発見するとともに、これを踏まえた29Si MAS-NMRスペクトル解析及び構造検討を行った。