セメント環境中では吸水能が著しく低下するとされる超吸水性ポリマー（SAP）の吸水能を、セメントペースト断面に現れたSAP粒子の粒度分布から推定した。また、SAP粒子によるコンクリートの性能改善は、それらの粒子間距離に依存することから、これを点過程の考え方で評価した。その結果、セメントペースト中での吸水能は自由吸水試験で求めた吸水能よりも必ずしも低くなるとは限らないことが示された。また、SAP粒子の練混ぜ中の破壊が示唆され、これが粒子配置と粒子間距離に影響する。よって、SAPの開発および使用においては、練混ぜ中の粒子破壊の有無を明らかにしておく必要があると考えられる。
