現在石炭の更なる高度利用技術として石炭ガス化複合発電(IGCC)の開発が進んでいる。しかしIGCCはスラグを排出するため、スラグを海洋構造物のコンクリート用細骨材として利用することが検討されている。よって本研究ではIGCCスラグ(石炭ガス化スラグ)を用いたコンクリートの強度特性および海洋環境下での耐久性を検討した。IGCCスラグ混入による強度への影響は小さかった。また破壊エネルギーは増加し、スラグ表面が平滑でも脆性的な破壊形態とならない可能性が示された。耐久性は遮塩性と硫酸塩劣化に対する抵抗性を検討したが、どちらもIGCCスラグが性能を向上させた。よって海洋環境下におけるIGCCスラグの細骨材としての有効性が示唆された。