セメント・コンクリート論文集
Online ISSN : 2187-3313
Print ISSN : 0916-3182
ISSN-L : 0916-3182
セメント化学
高炉スラグ微粉末を使用したペーストの炭酸化による変質挙動
宮原 茂禎荻野 正貴大脇 英司坂井 悦郎
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 74 巻 1 号 p. 59-66

詳細
抄録

高炉スラグ微粉末を大量に使用したコンクリートのペーストと高炉セメントB種のペーストの炭酸化を促進し、C-S-Hの変質挙動に着目してSEM-EDSや29Si MAS NMR、27Al MAS NMRにより分析した。SEM-EDSの結果から、炭酸化によりスラグやセメント粒子の内部のC-S-HからCaが外部へ移動してCaCO3を生成する機構が明らかになった。この時、C-S-H中のSiとAlは移動せずに保持され、Caが減少しながらSiO4四面体の重合が進んでアルミノシリケートゲルに変化することがNMRにより確認された。

著者関連情報
© 一般社団法人セメント協会
前の記事 次の記事
feedback
Top