若材齢時における脱型による水分の逸散は、セメントの水和反応に大きな影響を及ぼす。本検討では若材齢のモルタルを一次元的に乾燥させ、異なる乾燥状態での水分分布、相対湿度分布、および材齢約1か月後の水和反応との関係を実験的に取得した。乾燥面からの距離が20mmまでは水分の逸散が大きくなり、水和の反応が脱水により抑制される結果となった。これは特に水和反応の材齢後期に見られる析出律速過程における析出可能領域の減少の結果と考えられる。この傾向は特に脱型日数が早いほど確認されており、水和初期の水分量の低下が水和に影響が大きいことがわかった。