本研究は、アルカリシリカ反応(ASR)による生成物の形成挙動への影響要因を明らかにすることを目的とし、ASR生成物を純薬合成するためCa/Si比、K/Na比および乾燥温度を変化させた試料を作製して、生成物および原子結合状態を評価した。その結果、Ca/Si=0.2~0.4の範囲においてASRゲルが安定的に形成された。また、高K/Na比ではASRゲルが形成されやすく、一方で低K/Na比ではC-S-Hの形成が優位となった。このことから、Kの存在がASRゲルの安定生成に重要であるものと考えられた。乾燥温度110℃の場合では、ASRゲルのみが確認された一方で、50℃乾燥試料においては結晶性物質の形成も認められ、乾燥温度によって生成物の変化が生じる可能性が示唆された。