2022 年 76 巻 1 号 p. 153-161
本研究では低熱ポルトランドセメント硬化体における乾燥収縮性状を検討するため、普通ポルトランドセメントおよび低熱ポルトランドセメントを用いて質量変化および長さ変化を測定した。質量変化─長さ変化関係は二直線近似ができ、屈曲点は概ね50%RHに相当した。この勾配変化から、低湿度域では可逆的なひずみ、高湿度域では可逆的なものに加えて非回復性のひずみが生じたと推測された。Lの不可逆的なひずみはNより大きく、これは単位体積あたりのC-S-H量が多いことや窒素吸着量、水酸化カルシウム量の差からゲル空隙が少なく、C-S-Hが作る構造体に層間空隙が多く、より均質な状態であると推察でき、容易に乾燥後の層間が架橋しやすいためと考えられた。