本研究では、普通コンクリートにCO2を固定化する方法やその評価方法を確立することを目的とし、高圧注入試験装置を用いて硬化コンクリート試験体に高濃度のCO2を0.5MPa及び1.0MPaの圧力で注入した際の炭酸化深さや炭酸化速度係数について調べた。その結果、圧力が高いケースほど炭酸化速度は大きくなり、また高圧による細孔組織への影響は無く、炭酸化により空隙率が低下してコンクリートの強度が増加することが分かった。更に、Fick則を用いた炭酸化進行のモデルを用いて、高濃度高圧下における炭酸化速度係数を算定し実験結果と比較した。算定した炭酸化速度係数は実験値とおおよそ一致することが分かり、簡易的なモデルを用いた炭酸化進行の推定が可能であることが分かった。