セメント・コンクリート論文集
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セメント化学
クリンカー原料に生コンスラッジを用いた低温焼成型セメントの物性評価
茶林 敬司大田 将巳加藤 弘義新 大軌
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2023 年 77 巻 1 号 p. 105-111

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抄録

鉱物組成を調整した低温焼成型クリンカーはセメント製造における焼成工程の省エネルギー化が期待されるが、同時に石灰石の脱炭酸によって発生する原料起源のCO2排出量削減も課題となっている。本研究では、産業廃棄物である生コンスラッジをカルシウム源としてクリンカー原料の一部に使用し、低温焼成型組成のクリンカー鉱物およびセメントの物性に及ぼす影響を検討した。その結果、本検討の系では、生コンスラッジを低温焼成型クリンカー原料の一部に使用した場合においても、セメント物性を維持したまま、原料起源のCO2排出量を22.9%削減可能であることが確認された。

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© 一般社団法人セメント協会
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