2025 年 78 巻 1 号 p. 2-9
ケイ酸カルシウム水和物のひとつであるトバモライト(5CaO・6SiO2・5H2O)について、水分子の存在位置と挙動を明らかにするため、1.1nmトバモライトを主成分とする軽量気泡コンクリート(ALC)を用いて中性子小角散乱測定(SANS)を実施した。重水(D2O)/軽水(H2O)混合溶媒を用いた溶媒コントラスト変調法を利用して、特定の溶媒組成でトバモライトのc軸方向の周期構造、すなわちCaO-SiO2層と水分子積層構造に対応する回折ピークの消失を確認した。これはトバモライト層間空隙の水分子が置換されたことを示すものである。