抄録
明治20年頃の鹿児島では,日干製を改めるために茶焙炉という竹製の道具を用いる釜炒り茶の製法の普及がなされた。それは揉捻葉を茶焙炉で効率的に乾燥させて仕上げる製法で,同様の製法はそのまま自家用の釜炒り茶やハンズ茶の製法に受け継がれている。同じ頃に宮崎でも茶焙炉の導入がなされているが,今日に伝わる宮崎の製法は鹿児島のそれとは異なり,揉捻葉の表面を乾かす程度に用いられている。長崎や佐賀においても茶焙炉の導入がなされているが,熊本については明らかにできなかった。また,茶焙炉は蒸し製にも用いられていた。