裂傷型凍害の発生に及ぼす氷点下の低温程度,低温遭遇回数,土壌水分,枝条採取時期を詳しく解明するため,徒長枝を用いた人為低温処理実験と障害発生現地茶園での気象観測を行った。枝条の裂傷発生は,温度が低いほど,低温遭遇回数が多くなるほど増加した。軽度な低温でも遭遇回数が多くなると裂傷が生じた。また,裂傷部位への水分供給に関係して土壌水分が多いほど裂傷が多く,土壌水分が少ないと温度が低くても裂傷が生じなかった。枝条採取時期が遅くなると裂傷は減少し,樹体の低温馴化によると考えられた。樹体の低温による影響を評価する手法として,障害を受けた地際部組織からの電解質の漏出を測定して評価できる可能性が示唆された。また,本障害が甚大であった現地茶園では,初冬期の最高気温が高いわりに最低気温が低く,低温出現回数も多く,土壌含水率も高く,室内実験の結果と良く一致した。本試験の結果,裂傷型凍害の発生は,低温とその遭遇回数及び土壌含水率が主要因であることが明らかになった。