著者らは牧之原洪積台地の東翼にある榛原町坂部の茶園土壌を調査し,その理化学的性質の特徴を考察した。
その結果を要約すると次のとおりである。
.土層断面形態上から,これらの茶園土壌は赤黄色土に属するものと思われ,下層に固結した礫層が存在するのが特徴である。
理学的性質では,第1層は比較的粗しょうであるが,
第II層以下はきわめてち密で孔隙が少なく,しかもこの孔隙の大部分は水分によって占められていることである。
化学的諸性質のうち,特に著しいのは,いずれも強酸性を呈することで,これに伴って引き起こされる不良性は理学性の劣悪と相まって茶樹の生育を著しく阻害しているものと考察した。