光線を照射した茶の品質の変化を官能検査,ガスクロマトグラフィー,薄層クロマトグラフィー,茶の表面色およびフェオフィチンの変化などの分析手法を用いて検討した。
その結果,茶に光線を照射することにより香気と滋味が著しく劣化したが,色沢および水色は影響が少なかった。
変質した香気成分をガスクロマトグラムで分析すると,ヘッドスペースガス分析で大きく変化したものは,6個のピークで,減圧蒸留・エーテル抽出した香気濃縮物のガスクロマトグラムの結果から,13個のピークが増加し,リナロールに相当するピークが減少することを認めた。
薄層クロマトグラムによりクロロフィル類の変化,測色々差計で茶の表面色の変化を検討したが,ほとんど差が認められなかった。
また,クロロフィルのフェオフィチンへの変化は,きわめてわずかであり,光線により茶の外観の変化は少ないことを確認した。