茶業研究報告
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火山灰茶園土壌における最適な窒素肥沃度の検索
鳥山 光昭藤嶋 哲男松元 順
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1981 年 1981 巻 53 号 p. 17-25

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抄録
11月下旬~2月中旬を除き秋肥後翌年の三番茶までの期間において,土壌中の窒素濃度を3段階にかえて,茶園土壌における最適の窒素濃度を検索した。
また秋季,春季の土壌中の窒素濃度をそれぞれ数段階にかえて,一番茶に対する秋季,春季の最適の窒素濃度を検索した。その結果は次のように要約される。
1) 土壌中の窒素濃度を24mg以上に高め,さらに維持した区は,慣行施肥区に比べて多収で,新芽の全窒素含有率は高く,煎茶品質もすぐれた。
2) 最適の窒素濃度区は一番茶ではN-24mg区,二,三番茶ではN-36mg区であり,最適の窒素濃度は時期によって異なり,秋季,春季よりも夏季のほうが高いものと考えられた。
3) 秋季,春季の窒素濃度が12mgの場合には一番茶の生育,収量,窒素収奪量および煎茶品質はいずれも劣った。一番茶の乾物重は秋季,春季いずれかの窒素濃度を24mgに高ううることにより増加したが,窒素収奪量および煎茶品質は秋季よりも春季の窒素濃度に影響され,春季を24mgに高めることによって窒素収奪量は増加し,煎茶品質も向上した。
4) 秋季の窒素濃度を36mgまで高めても,秋冬季における成葉の全窒素含有率は高まらなかった。一方春季の場合は24mgに高めることによって秋季の窒素濃度に関係なく新芽の開葉に伴う成葉の全窒素含有率の低下は緩慢で,一番茶のタンニン含有率は低下する傾向を示した。また各茶期の新芽の全窒素含有率は土壌中の窒素濃度が高いほど多い傾向を示した。
5) 以上の結果から,火山灰茶園土壌における最適の窒素濃度は,乾土100g当り秋季では12mg,春季では22mg,夏季では30mg程度と推測された。
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© 日本茶業技術協会
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