茶業研究報告
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黒茶の製造過程における化学成分の変化
将積 祝子池ケ谷 賢次郎高柳 博次阿南 豊正
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1984 年 1984 巻 59 号 p. 41-44

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抄録

黒茶の製造過程における化学成分の変化について調べた。
黒茶は木茎を含んだ新芽(夏期)を原料として製造する。すなわち,この新芽を蒸した後,稲わらを内張りした木箱に厚くつめ,軽くおもしをし25日間発酵させた後これを天日乾燥する。
全窒素含量,可溶性窒素含量およびカフェイン含量は原料葉の含量より増加したが,全遊離アミノ酸,アマイド含量,カテキン類含量,遊離還元糖含量および可溶分含量はぎわめて少なくなった。
カテキン類の変化についてペーパークロマトグラフィーにより調べた結果,7日目には(-)EGCGと(-)ECが減少すると共に,(-)ECGは消滅し,GAが増加した。14日目には(-)EGCGと(-)ECが消滅し,(-)EGCが僅かに残りGAはさらに増加した。また,酸化重合物も増加した。
黒茶にはGAと多量の酸化重合物のみが検出された。

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