1984 年 1984 巻 59 号 p. 7-12
強および弱せん枝ならびに環状はく皮によって,根の褐変が著しく増大した。せん枝および環状はく皮によって,細根のTTC還元力が低下し,木化根および細根のTAC含量も低下した。これらのことより,せん枝による根の褐変壊死の増大には,地上部から地下部への光合成産物の転流の減少が関係しているものと考察した。
また,湛水3日間および15日間処理によっても,根の褐変率が増大した。さらに,せん枝に湛水が加わることによって,木化根および細根の褐変率は加算的に増大した。湛水によって,一番茶成熟葉の葉緑素含量の低下および新梢の伸育の抑制も認められた。
これら地上部および地下部に認められた現象は,チャ立枯症の初期症状と類似していた。