茶業研究報告
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茶の火入れにおける遠赤外線の利用
中田 典男原 利男磯谷 恵一漆畑 昌
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1988 年 1988 巻 68 号 p. 14-21

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抄録

遠赤外線加熱による茶の火入れ技術を開発するため,市販の回転ドラム型火入れ機の内部に遠赤外線ヒーターを取付けて加熱する方法と,静岡機械製作所で開発した間欠振動トラフコンベヤー型遠赤外線火入れ機を用い,火入れ条件と茶の品質との関係を調べた。
回転ドラム型火入れ機に遠赤外線ヒーターを取付ける方法は,茶に加熱むらを生じやすいので処理量を少なくする必要が認められた。また,この方法はヒーターと茶との間隔をせまくすることが困難であるから,所定の茶温に加熱するには,ヒーターの温度を高くする必要があえ,あまり効率的な方法とは認められなかった。
静岡機械製作所で開発した遠赤外線火入れ機は,トラフコンベヤーの上に遠赤外線ヒーターを取付け,コンベヤーの下から熱風を送って火入れをする併用方式で,コンベヤーは間欠振動によって茶を反転,移動させて均一に火入れができるようにしてある。本火入れ機によって従来方式の火入れ茶と匹敵する品質のものが得られた。本火入れ機は短時間に火入れを行うので,茶をうすく均一に供給することが必要であった。

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