2005 年 2005 巻 99 号 p. 21-29
電撃型自動計数フェロモントラップ「モスカウンター」のチャノコカクモンハマキ発生予察調査における実用性を明らかにするため,野外茶園で評価試験を行った。本装置は,2年間の連続調査期間を通じて故障なく正常に稼動し,誘殺数と自動計数値はほとんど一致した。計数誤差は最大でも±5%程度で,計数精度は高かった。またモスカウンターによる誘殺消長は,対照とした水盤式フェロモントラップによる消長とよく一致し,本装置が対照トラップの代替トラップとして利用可能なことを示した。さらに個別予察におけるモスカウンターの実用性を判断するため,防除適期決定の基準となる発蛾ピーク日を指標に,本装置と対照トラップを比較した。6年間5か所39発生期におけるのべ84ピークについて比較したところ,モスカウンターと対照トラップで調査した発蛾ピーク日の偏差は,最大で―4日,全体の83.3%が偏差±1日以内に収まり,個別予察においても本装置が対照トラップの代替トラップとなり得ることを示した。以上のことから,チャノコカクモンハマキの発生予察調査におけるモスカウンターの実用性は高いと判断した。