1979 年 27 巻 4 号 p. 696-703
CEZとGMの併用効果について, グラム陽性球菌およびグラム陰性桿菌に対するin vitroおよびin vivoにおける相乗効果を検討した。
1. 感受性分布から評価した場合, 相乗効果を明確に表示することはできなかった。しかし, FIC indexで評価すると, CEZとGMの併用比が1:1あるいは4:1において相乗効果の出現率が比較的高率にみられた菌種は, S. aureus, S. faecalis, E. coliおよびE. aerogenesで, ついでK. pneumoniae, Pmirabilis, Prettgeri, C. freundii, S. maroescensで, ほとんど相乗効果を示さない菌種は, P. vulgarisおよびP. inconstans Bであった。
2. FIC indexにおいて相乗効果の認められたE. coliの菌株 (No.75, No.621) は, 殺菌作用においても著明な相乗効果が認められた。またFIC indexで相乗効果を示さなかった菌株 (FIC index:≧1) でも, 多くの菌株で殺菌効果は相乗的に増強された。
3. E. coliの試験菌株に対する両薬剤のin vitroにおける併用効果とマウスの感染防御効果とは, 必ずしも対応せず, FIC indexとは無関係に両薬剤による治療において相乗効果が認められる例があった。