CHEMOTHERAPY
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Cefaclorに関する基礎的ならびに臨床的研究
古澤 太郎藤原 光文秋山 喜久夫
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1979 年 27 巻 Supplement7 号 p. 586-591

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抄録

新しく米国Eli Lilly社で開発された経口用Cephalosporin系抗生物質Cefaclor (以下CCL) について基礎的ならびに臨床的検討を行ない次の結果を得た。
1. 臨床尿分離のE. coli 59株, K. pneumoniae 15株のCCLに対する感受性のピークは108cells/ml接種菌量で, それぞれ3.13~6.25, 1.56μg/mlにあり, in vitroの抗菌力はCephalexinよりも2~4倍優れていた。
2. 女子急性単純性膀胱炎22例を対象にCCL1日750mg, 3分服, 3日間経口投与し, 細菌尿は22例中21例 (95.5%) に陰性化, 1例 (4.5%) に減少が認められ, また排尿痛などの自覚症状, 膿尿はいずれも消失または正常化を示し, 臨床効果は著効17例, 有効5例で有効率100%の成績であった。また, CCL投与終了後1週間以内の再発は22例中1例も認められなかった。副作用は全例に認められなかった。

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