CHEMOTHERAPY
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腎機能障害時におけるCefroxadine (CGP-9000) の血中および尿中排泄動態に関する研究
大川 光央竹前 克朗島村 正喜黒田 恭一小坂 哲志田谷 正粟津 荘司
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1980 年 28 巻 4 号 p. 582-588

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抄録

新しい経口用半合成セファロスポリン系抗生剤Cefroxadine (CXD, CGP-9000) の500mgを種々の程度の腎機能を有する15例に経口投与した際の血中および尿中濃度を測定した。濃度測定はMiorococcus luteus ATCC 9341を検定菌とする薄層カップ法により行い, また薬動力学的解析はone-compartment open mode1に従った。なお腎機能の指標としては, 24時間内因性クレアチニンクリアランス (Ccr) を用い, 各種薬動力学的パラメータとの関連性を検討した。腎機能正常例における最高血中濃度は, 投与後2時間に得られ平均11-6μg/mlで, 血中濃度半減期は平均58分と計算された。消失速度定数 (kel) とCcrとの間には有意の相関関係 (P<0.001) が認められ, 回帰直線方程式kel=0.0531+0, 0071・Ccrが得られた。一方, 腎機能正常例における投与後6時間までの累積尿中回収率は, 平均71.2%であり, 腎機能の低下に伴い減少した。腎機能障害, ことに高度な障害を有する患者に本剤を投与するに際して, 投与量, 投与間隔の調節が必要であると考えられた。

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© 社団法人日本化学療法学会
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