CHEMOTHERAPY
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高速液体クロマトグラフィーによる血中アミノ配糖体系抗生物質の測定
渡辺 誠近藤 恭子真下 啓明川本 健志島津 邦彦
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1982 年 30 巻 1 号 p. 21-24

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抄録

アミノ配糖体系抗生物質の血中濃度モニタリングの方法を, トプラマイシンを中心に高速液体クロマトグラフィーを用いて検討した。
使用機器にはアミノ酸分析システムを利用し, イオンペアクロマトグラフィーによりポストカラム法にてケイ光試薬をラベルして検出した。前処理はANHALTの方法を一部変更し, 内部標準品には他のアミノ配糖体系抗生剤よりシンマイシンを選択して利用した。
本法による検量線は0.5μg/ml~20μg/mlの範囲で直線性が得られた。また本法での変動係数は2.5μg/mlの血清中濃度で3.5%(n=6) であった。
本法の特徴は市販のアミノ酸分析システムを利用して用いることができ, 特殊な装置を必要としないことと, 内部標準品に他のアミノ配糖体系抗生物質を利用している点で簡易であり, また, 誤差が少ないことがあげられる。さらに本法ではトブラマイシンのほかに, ネチルマイシン, ホルチミシン (KW-1070), シンマイシンが現在のところ測定可能であり, また, 他のアミノ配糖体系抗生物質に対しても応用が可能と思われる。

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© 社団法人日本化学療法学会
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