CHEMOTHERAPY
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実験感染における実験条件と感染防御効果に関する研究
(1) マウスの条件による感染菌の菌力, 抗菌薬投与後の血中濃度, 尿中排泄の比較
小川 正俊上村 利明川崎 賢二宮崎 修一五島 瑳智子
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1982 年 30 巻 1 号 p. 67-74

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抄録

感染治療実験に用いるマウスdd, ddN, ddy, ICRの各系統について, 感染菌に対する感受性, 抗菌薬投与時の血中濃度, 尿中排泄, および感染防御効果を検討した。
Escherichia coli C11株のマウス股腔内感染におけるMLDは, ICRマウスがもっとも小さく, 菌に対する感受性が高かった。また同一系統であっても, 週令によって感染菌に対する感受性に差がみられた。この原因を調べるため, carbon-clearanceによる細網内皮系の機能を調べたところ, ICRはddに比べ, 有意に低かった。
抗菌薬投与による血中濃度は, マウス各系統間に差がみられた。
以上の実験成績により, in vivoにおける抗菌作用の評価において, 同一実験系で同時に行なった場合のみ, ED50の比較が可能であると考えられた。また治療効果を判定する資料としての吸収, 排泄の成績は, 感染実験に用いた同条件の動物を用いるべきであることが示唆された。

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© 社団法人日本化学療法学会
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