抄録
富山化学工業 (株) と科研化学 (株) で共同開発中の新しい注射用Cephamycin系抗生剤であるT-1982について, 産婦人科領域における臨床的検討を試みた。本剤の抗菌力は, E.coli, K.pneumoniae. ProtmsおよびS.marcescensなどに対して従来の注射用Cephem系抗生剤より一段と強い卓抜したMICを示した。
本剤の臨床応用として, 骨盤内感染症 (子宮内感染, 子宮付属器炎, 骨盤腹膜炎など), 尿路感染症など10例に1日2.Ogを原則投与 (静注, 点滴静注) し, 著効, 有効あわせて9例 (有効率90.0%) の成績をおさめた。
副作用には特記すべきものを認めていない。