CHEMOTHERAPY
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複雑性尿路感染症における薬剤投与後の尿中細菌数の経時変化
宮本 慎一田宮 高宏高塚 慶次
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1984 年 32 巻 12 号 p. 1000-1003

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抄録

18名の複雑性尿路感染症患者に, gentamicin, latamoxef. MT-141を5日間投与し, 薬剤投与前に104 cells per ml以上分離された25菌株の, 初回投与6時間後および1日目-5日目までの尿中細菌数を経時的に測定した。その結果, 化学療法剤が有効ならば尿中細菌は経時的に減少する, 薬剤耐性群より薬剤感性群で, またカテーテルあり群よりカテーテルなし群で尿中細菌数の減少が大きく, しかも早い時期にみられる, 5日間の化学療法剤投与にて尿中細菌が陰性化する症例では, 投与開始6時間後-1日目には約60%が陰性化している, などのことがわかった。これらの知見は, 抗菌剤の薬効評価上重要であることを主張した。

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