CHEMOTHERAPY
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緑膿菌に対するピペラシリソ・セフォペラゾン・セフスロジン・ボスホマイシソ・トブラマイシソ合併による併用効果
高橋 公毅菅野 治重
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1984 年 32 巻 12 号 p. 966-971

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抄録

Piperacillin (PIPC) +Fosfomycin (FOM), Cefoperazone (CPZ) +FOM, Cefaulodin (CFS) +FOM, PIPC+FOM+Tobramycin (TOB), CPZ+FOM +TOB, CFS+FOM+TOB の併用効果を臨床材料より分離した緑膿菌を用いて検討した。相乗作用 (FIC係数≦0.5) は PIPC+FOM, CPZ+FOM および CFS+FOM の併用でそれぞれ, 80.0%. 85.0%, 826% に認められた。上記の各2剤の組み合わせに TOB を微量に添加することによって, さらに相乗効果が強化された。
単個および集塊菌に対する2剤および3剤の組み合わせでも著しい殺菌効果を示した。集塊菌に対する CPZ+FOM+TOB の殺菌作用は PIPC+FOM+TOB や CFS+FOM+TOB に比ぺて著しく, 薬剤3時間後の生菌数ははじめの 108/ml から 106/ml に, 24時間後では101/mlにまで減少した。今回行なったこれらの抗生剤の組み合わせは重症な緑膿菌感染症に対する臨床的有用性がうかがわれた。

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