CHEMOTHERAPY
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Sulbactamの臨床第一相試験
斎藤 篤嶋田 甚五郎大森 雅久柴 孝也山路 武久井原 裕宣北條 敏夫加地 正伸三枝 幹文宮原 正上田 泰
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1984 年 32 巻 Supplement4 号 p. 192-201

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抄録

わが国におけるsulbactamの臨床第一相試験を実施し, ヒトでの安全性と体内動態を検討した。健康成人男子志願者5名にsulbactam1000mgを静注した1週間後に, sulbactam1000mgとcefoperazone1000mgを同時に静注した。自・他覚所見の精査および各種臨床検査を実施し, sulbactam単独投与時およびsulbactam, cefoperazone併用投与時の身体諸機能に及ほす影響を検討したがいずれにおいても特記すべき異常は認められなかった。
Sulbactamは血中では静注5分後に104μg/mlの値を示し, 以後は漸減して6時間後には0.56μg/mlとなった。尿中には静注後1時間までに9820μg/mlの高濃度がえられ12時間尿中排泄率は98.8%であった。sulbactamとcefoperazoneを同時に静注したときのcefoperazoneの血中濃度は終始sulbactamより高値をとり, かつ持続した。この際のcefoperazoneの24時間尿中排泄率は29.3%であった。投与後6時間までの尿中濃度はsulbactamの方がcefoperazoneより高かったが6時間以降は逆転してcefoperazoneの方か高値を示した。

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