CHEMOTHERAPY
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Sullbactam/Cefoperazoneの臨床的検討
大山 馨清水 隆作
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1984 年 32 巻 Supplement4 号 p. 281-287

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抄録

β-lactamase inhibitorとして開発されたsulbactamとcefoperazoneの1: 1の合剤であるsulbactam/cefoperazoneについて, 臨床分離株に対する抗菌力を検討するとともに, 18例の感染症に本剤の投与を行って次のような結果を得た。
1. 抗菌力
臨床材料から分離したS. aureus, S. faecalis, E. coli, Citrobacter, Klebsiella, Enterobacter, Serratia, Proteus およびP. aeruginosa計178株について, SBT/CPZの抗菌力をSBTおよびCPZのそれと比較した。その結果本剤はS. aureus, S. faecalis, E. coli, Serratia, Proteus, Pseudomonas に対してCPZよりやや強い抗菌力を示した。なおSBT単独では, グラム陽性, 陰性菌に対してほとんど抗菌性が認められなかった。
2. 臨床成績
11例の呼吸器感染症,1例の敗血症および6例の尿路感染症に本剤を投与したが, 呼吸器感染症では11例中9例 (81.8%) に有効以上の成績が得ら礼敗血症の1例には有効, 6例の尿路感染症においては5例 (83.3%) に有効以上の成績か得られる。
3. 副作用
2例に下痢がみられ1例は本剤の投与を中止した。また1例に軽度のGPTの上昇がみられた。しかしいずれも本剤の投与終了後速やかに回復した。

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© 社団法人日本化学療法学会
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