CHEMOTHERAPY
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呼吸器感染症に対するSulbactam/Cefoperazoneの臨床的検討
早瀬 満大谷 信夫
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1984 年 32 巻 Supplement4 号 p. 288-292

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抄録

β-lactamase inhibitorであるSulbactam (以下SBT) と第3世代セフェム系抗生物質Cefoperazone (以下CPZ) の合剤Sulbactam/Cefoperazone (以下SBT/CPZ) を呼吸器感染症10例11エピソードに投与し, 有効10エピソード, やや有効1エピソード, 有効率91%の結果を得た。やや有効の1エピソードは, 両側胸膜癒着を基礎にもつ気道感染でCO2ナルコーシスを併発した例で, 種々の抗生物質投与でも軽快せず, 長期の本剤投与にて軽快傾向を示した重症例であった。
11エピソードのうち起炎菌を断定し得たのは10エピソードで, Haeemophilus influemae7エピソード, Staphylococcus aureus2エピソード, Streptococcus pnenmoniae+Haemophilus influenzae 1エピソードであった。β-lactamase産生菌はS. amus2株, H. influenzae3株の計5株であった。本剤投与でS. aurens以外は除菌し得た。
副作用としてはGOT, GPT上昇を2例認めたがごく軽微で, 本剤投与中止後速かに正常域に復した。

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