CHEMOTHERAPY
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Sulbactam/Cefoperazoneに関する基礎的ならびに臨床的研究
三木 文雄河野 雅和高松 健次
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1984 年 32 巻 Supplement4 号 p. 299-304

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抄録

米国Pfizer社で開発されたβ-lactamase阻害剤SulbactamとCefoperazoneの1: 1の配合剤Sulbactam/Cefoperazoneについて検討を加え, 以下の成績を得た。
病巣分離菌のSulbactam/Cefoperazoneに対する感受性分布のピークは, S.aureusでは1.56μg/mlに, E. coliでは0.78~1.56μg/mlに, K. pneumoniaeでは0.2μg/mlに, P. mirabilisでは0.78μg/mlに, P.vulgarisでは0939μg/mlに, P. aeruginosaでは6.25μg/mlにそれぞれ認められ.S. aureus, E. coli及びP. aeruginosaに対してはCefoperazoneにSulbactamを併用した効果は認められなかったがK. pneumoniae, P. mirabilis, P. vulgarisに対するSulbactam/Cefoperazoneの抗菌力はCefoperazone単独よりすぐれ, 併用効果が認められた。
呼吸器感染症4例, 敗血症の疑2例, 糖尿病性壊疽の感染1例, 計7例に対して, Sulbactam/Cefoperazone1回1~39回, 1日2回, 点滴静注により2~27日間投与し, 有効3例, 無効2例, 判定不能2例の臨床効果を認めた。2例において, 肝機能の一過性の悪化が認められた。

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